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Roots.

Production process.

It supports tradition.

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Explanation.

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神里佐千子さん・仲間伸恵さん


−苧麻を愛し、宮古上布を楽しむ

楽しみながら作業をする神里さんと仲間さん


  涼しい風が通り抜ける平屋の民家まるごと使って工房を開いているのは神里佐千子さん。 広さ20畳ほどの部屋には織機が10台近く置いてある。また何色にも染め上がった苧麻糸も数多くあり、それらもすべてこの工房で染色されている。原料には、レモングラスやフクギ、サンダンカやクール、シャリンバイなどさまざまな材料を用いており、その染め上がりは繊細で柔らかな優しい色が多い。その苧麻糸を用いて織られる反物は年齢や性別を問わず誰でも親しみやすい仕上がりとなっている。
  神里さんが特に気にかけているのは、この苧麻糸のこと。現在はおばぁ達によってブー績みされているが、高齢化が進んでいるため糸が太くなりつつある。またその後継者もなかなかできないという。
 ブー績みは地味で細かい大変な作業なのだが、ブー績みをする人たちはその作業をとても楽し

柔らかくて優しい色に染め上げられた苧麻

んでいる。髪の毛より細い繊維を微妙な力加減で丁寧に繋いでいくと、金色にも見える白色の糸ができあがってゆく。それはシルクにも似た美しい輝きを持つ糸になる。ブー績みをしているおばぁ達は、日々のこの作業を楽しんでおり、作業中に電話が鳴ると作業を中断しないといけないので電話に出たくないというほど。こうした「昔から伝わるおばぁ達の匠の技を少しでも多くの若い人がぜひ受け継いで欲しい」と神里さんは言う。
  この工房で一緒に宮古上布を楽しんでいる仲間伸恵さんは、沖縄本島の大学で機織りに触れて興味を持ったとのこと。大学卒業後しばらく沖縄を離れ京都で紙作りの知識を身につける。その間も宮古上布に対する興味が薄れることはなかったという。「自分の故郷に“宮古上布”というすばらしい織物があるじゃない」そう思った仲間さんは退職し直ちに帰郷。仕事の傍ら、時間を作っては工房に足を運ぶ毎日。もともと織物の基礎ができていた仲間さんは、乾いたスポンジが水を吸い上げるかのように次々と宮古上布の技術を身につけていった。それは後に仕事を辞め、織物で生活を染めるほど魅力的なものであった。帰郷して1年2ヶ月。今では神里さんも「心強い後継者」というほど、仲間さんの織物の腕は日に日に向上しつつある。インタビューに答える仲間さんの表情は本当にいきいきしていて、こちらにもその熱意がひしひしと伝わるほどであった。  

苧麻を利用した紙は試作段階

 そんな仲間さんが現在、試作中なのが“苧麻の紙”。糸にできない短めの苧麻など使用し紙に加工するという画期的な考えだ。これは「ブー績み保存会」の下地正子さんが長年抱いてきた夢である。紙作りの知識を持つ仲間さんに「苧麻で紙を作ってみたい」と下地さんが話を持ちかけたことがきっかけで始まった。今はまだ試作段階だが、いろんな工夫を凝らして何色もの紙を作り出している。「苧麻農家やおばぁ達が大切に育てた苧麻を決して無駄にはしたくない」「苧麻で織った宮古上布を苧麻で作った紙で包めたら最高」と夢を語った仲間さんの目からは、苧麻を愛し、宮古上布を心から楽しんでる想いがにじみ出ていた。

 






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